BEHIND THE BRAND


私たちについて
卸のざわめきからはじまり、ECの海を渡り、自ら企画するところまで――
Romavolaは、二十年のあいだ装いの現場で耳を澄ませ、手を動かしつづけてきました。
2024年、福岡に拠点を構え、私たちはもう一度“日常”という舞台に向き合います。流行の速さを追いかけるのではなく、その半歩手前で止まり、毎朝の通勤やふいの打合せ、帰り道の寄り道までを軽やかに支える服とバッグをつくること。輪郭の美しさ、触れたときの確かさ、そして手の届く価格――その三拍子が、Romavolaの起点です。
私たちの仕事は、派手な驚きを狙うことではありません。
よく使う色を、少しだけ研ぎ澄ます。いつものシルエットに、肩の凝らない品の良さを添える。手に取って“ちょうどいい”と感じる厚み、通年で頼れる素材、荷物の多い日も気負わない容量。気づけば何度も選んでしまう――その“何度も”の理由を、静かに積み重ねたいのです。
福岡で企画し、国内外の信頼できる作り手と小ロットで丁寧に仕立て、必要な分だけを軽やかに更新する。
在庫は持ちすぎず、しかし妥協は持ち込まない。検品の目は厳しく、縫い代の始末や金具の精度といった小さな約束を守る。服はコーデの文脈で提案し、バッグは動線で設計する――通勤鞄の間仕切り、肩掛けの落ち着き、開け閉めの一手まで。日々の使い勝手という“生活の文学”に、私たちは敬意を払います。
日本で磨いたバランス感覚は、国境を越えても有効だと信じています。
福岡から中国へ、そしてまた日本へ。文化と感性が行き来する往復運動の中で、Romavolaは“節度あるモード”を翻訳し続けます。トレンドの輪郭線をなぞりつつ、長く着られる芯の強さを残すこと。今日の気分に寄り添いながら、明日の予定にも耐えること。日常という長編に、静かな一文を差し込むこと。


